‘行政書士試験の概要’ カテゴリー
受験スケジュールと試験内容
行政書士の資格を取得するには、大きく分けて3つの方法があります。
- 行政書士試験に合格すること
- 弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格があること
- 国家公務員または地方公務員として20年(高卒以上は17年)以上の経験があること
しかし、行政書士を目指す20~30代の人たちのほとんどは、2と3の条件に当てはまりません。したがって、試験を受けなければならないわけです。
まずは、受験スケジュールと行政書士試験内容を把握しておきましょう。
受験スケジュールと試験案内
【受験スケジュール】
8月上旬~
受験願書の配布 ※全国各地の配布場所で配布されます
8月上旬~9月上旬
受験願書の提出 ※インターネットによる申し込みもできます
10月中旬
受験票の交付 ※受験票が郵送されます
11月第2日曜日
試験 ※全国の会場で13時~16時まで行われます
1月第5週
合格発表 ※受験者全員に合否通知書が郵送されます
2月下旬
合格証の発送 ※合格者には合格証が郵送されます
【行政書士試験案内(抜粋)】
★受験資格
年齢、学歴、国籍等に関係なく、だれでも受験することができます。
★試験の科目
《行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題)》
・憲法・行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする)・民法・商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題し、法令については、(その年の)4月1日現在施行されている法令に関して出題します。
《行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題)》
政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解
★試験の方法
試験は、筆記試験によって行います。出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式です。記述式は40字程度で記述するものを出題します。
★合格発表
行政書士試験研究センターの掲示板やホームページで発表されます。なお、受験者全員に合否通知書が郵送されます。
合格率の推移と難易度
次に難易度を測る目安のひとつ、行政書士の合格率を見てみましょう。
【行政書士の合格率】
平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | |
受験者 | 67,348 | 70,586 | 66,297 | 59,948 | 55,436 |
合格者数 | 6,095 | 4,662 | 5,337 | 5,508 | 5,597 |
合格率 | 9.05% | 6.60% | 8.05% | 9.19% | 10.10% |
まず驚きなのがその受験者数。毎年6万人以上です。
行政書士試験には受験資格がなく、誰でも受けられるため、これだけの人数が集まるんでしょうね。
そして肝心の合格率。平成25年度には久しぶりに10%を超えました。
行政書士試験は合格基準が点数制で絶対評価です。そのため、合格者の人数制限などはなく、合格率が上昇することがあります。過去10年間の平均では7%弱。合格者は10人中1人未満という割合です。難易度が高いとうことがわかります。
しかし、合格率だけで難易度を決めてしまうのも疑問です。
例えば、医学部の学生が医師になるために受ける「医師国家試験」は、合格率が90%近くもあります。でもこれが一般人でも合格できる試験かというと、それは違いますよね。
というように、合格率はあくまでも難易度を見る目安であって、絶対的なものではないのです。
行政書士の難易度の高さに気を取られすぎることもありません。この試験は、一定の得点(全体で60%以上の得点および法令科目で50パーセント&一般知識で40パーセントの得点)をしていれば必ず受かりますから。
試験の傾向と対策
試験は、一定の時間内で問題を解かなければなりません。つまり、問題をスピーディに解く力⇒問題解決力とスピード処理能力が必要となります。これを習得するのに最適なのが過去問です。
行政書士試験のように出題範囲が決まっているものは、試験の問題として出題できる箇所が決まっています。
また、毎年の受験生を正確に判定するには、同じような問題を出題するしかありません。そのため、過去問を徹底的に解くことが合格への近道となります。
また、行政書士試験は13時~16時の3時間、休憩なしで行われます。
試験は1つの問題文が長いため、読むだけでも労力がかかり、しかも、3時間も問題を解き続けなくてはいけないため、かなりの集中力と体力が必要とされます。私自身、1回目の試験では、集中力が切れてしまい、試験の途中で諦めてしまったほどでした。
普段から気を付けて、集中力と体力をつける訓練をしておきましょう。複雑で長い過去問をたくさん解くのは、そのためにも良いと思います。
【試験形式について】
行政書士試験の形式は、
5つの選択肢から正解を1つ選ぶ『5肢択一式』、
文章中の複数の空欄に当てはまる語句をそれぞれ選ぶ『多肢選択式』、
回答を40文字程度でまとめる『記述式』
の、3つに分かれます。とくに、記述式は各20点が3問で計60点と配点が高いため、絶対に落とせない問題です。
記述式を解くために重要なのは、
- 記述式は、基礎知識が身についていることが前提
- 問題集はあくまでも例文。どんな角度から問われても答えられるようにしておくこと
- 40字程度でまとめるクセをつける
記述式は配点が高い分、問題を解くには、基礎知識と応用力が身についていないと解けないようにつくられています。
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一発合格するための勉強法
実は私は、一発合格していません。そんな失敗経験を持っている私だから分かる、合格のための勉強法というものがあります。
はっきり言えば、私も勉強をはじめる段階で『フォーサイト』に出会っていれば、一発合格できたと考えています。独学で学習した期間は決してムダにはなっていないと思うのですが、独学では何年勉強しても合格は無理だったのではないかとも感じます。
そこで、一発合格するために必要なノウハウを3つ紹介します。
■学習スケジュールを立てる
ただダラダラと時間数だけ学習していても意味がありません。
良い通信講座では、そのカリキュラムに従って学習すれば、合格ラインを達成できるようになっています。しかし、自分の都合で学習できる通信講座は、よほど自分に厳しくしない限り、怠けてしまうのが現状です。独学は余計にそうでしょう。
そこで必要なのが学習スケジュールを立てることです。
まずは、合格=ゴールを目指すために全体のスケジュールを立て、それから半年、1ヶ月、1週間というように、細かくスケジュールを組んでいきましょう。あとは実行するだけです。
とはいえ、詰め込みすぎは注意してください。大人には数々の誘惑や都合もあるので、決して無理なスケジュールは立てないようにしてくださいね。
■学習時間を増やす
もっとも苦労する人が多い項目であるはずです。無職であったり、学生であったりすれば、それなりに勉強時間を増やすことは容易かもしれませんが、仕事をしているとそういきません。
思ったように学習時間が取れず、あとになって後悔する人が多いようです。
学習時間を増やすには、3つのポイントがあります。
・時間を削る⇒食事・テレビ・デート・ゲームなどの時間。
・ながら学習⇒通勤・通学・お風呂・トイレなどの時間。
・スキマ時間⇒待ち合わせ・食事の前後などのほんの10分程度の時間
試験に合格するには、学力が合格基準に達していることが絶対の条件です。
そのために、少しでも学習時間を増やすことが必要不可欠です。
■復習の重要性
人間の脳というのは、一度に覚えられる量が決まっています。
ということは、1日で新しい知識を詰め込み過ぎるとどうなるか。結果、記憶があいまいになったり、混乱したり、間違った覚え方をしてしまうのです。そうなるのを防ぐためには、復習が重要です。
復習する利点は、記憶力をアップさせ、忘れる速度を遅くすることです。
そして一番大切なのは、復習効果というのは、同じテキストを繰り返したときにのみ有効だということです。同じテキストを何度も繰り返すことが、記憶力アップに繋がるのです。
そして、復習のタイミングも重要です。復習までに1ヶ月以上の期間をあけてしまうと意味がありません。記憶が保存されている1ヶ月のうちに、復習しなければなりません。
【効果的な復習プラン】
- 学習したその日の夜に1回目
- 学習したその翌日に2回目
- その1週間後に3回目
- 学習した日から3週間後に4回目
- 学習した日から7週間後に5回目
また、人間の集中力を保てる時間は、40分といわれています。『40分勉強して20分休憩』というのが、脳にも効果的で、長続きする学習法といえます。
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